賭博覇王伝 零"一桁上がりの法則"について

1.はじめに

まずは今週の週間マガジン(2008.05.07発売)を読んでほしい。

そこで零が皆殺しの魔女の館(だったかな?w)でルート2を計算することを要求され、うまい計算方法として提示したのが「一桁上がりの法則」です。

まあぶっちゃけ数学科来るくらいの人なら空で言えますけど。1.4142135623位までは。
それは置いといて、零が言うには

『どんな二つの数(a,b)の掛け算でも、それの一番右の桁を1上げた
数字同士の掛け算は元の結果a×bにaとbと1を足せば答えが出てくる』

数学語に代えれば

『どんな二つの数a,bに対してもそれの一番右の桁を1上げた
数字同士の掛け算の答えはab+a+b+1になる』

だけどこれは小数の場合には意味不明になり、正確には

『どんな二つの数(a,b)の掛け算でも、それの一番右の桁を1上げた
数字同士の掛け算は元の結果a×bに(aの小数点を抜いたものとbの小数点を抜いたものと1を足したもの)×10^{X})を足せば答えが出てくる』(Xはa,b二つの小数点以下の桁数の和)

であり、文章で書けば非常に混乱する。



例)

  140     141
 ×140    ×141
――――― → ―――――
19600   19881

実際
19881=19600+140+140+1

  2.5    2.6  (小数点以下1桁
 ×2.1   ×2.2  (小数点以下1桁
――――― →――――― 
 5.25   5.72
実際
5.72=5.25+0.25+0.21+0.01
    =5.25+(25+21+1)・10^(−2)
                         ↑
             ここの2は小数点以下桁数の合計1+1

2.a,b整数の場合

『それの一番右の桁を1上げた』というのが一番厄介だが、整数に限定してしまえば

『どんな二つの数a,bに対しても
(a+1)(b+1)の掛け算の答えはab+a+b+1になる』

しかしこれは(a+1)(b+1)を計算すれば当たり前の話で、

(a+1)(b+1)=ab+a+b+1 証明終了。

3.a,b実数(有限小数)の場合

問題となるのは整数でなく小数の場合である。

しかしこの場合も条件さえ決めてあげれば以外に簡単で

a:小数点以下がk桁の有限小数
b:小数点以下がm桁の有限小数

と置いてあげれば

二つの数a,bに対してそれの一番右の桁を1上げた数は
a+10^{-k},b+10^{-m}と表せる。

よってそれをかけたものは
(a+10^{-k})(b+10^{-m})
=ab+10^{-m}a+10^{-k}b+10^{-(k+m)}
=ab+10^{-(k+m)} \left( 10^{k}a+10^{m}b+1 \right)
となり、見事にもとの数abに(aの小数点を抜いたもの+
bの小数点を抜いたもの+1を足して小数点を付け直したもの)
の足し算になって、零の言うとおり。

4.理論的には簡単な話だが

数学にありがちなことだが、原理は簡単だが実生活に応用できない事象が多い。
しかし実際は実生活に応用できるセンスがないだけで零のようにセンスがあるものはあらゆるときも利用できるのだと思う。

ただ、ルート2の値を出さないと皆殺しなんていう実生活あってたまるかって話ですけど。

5.後書きとかいろいろ

ちなみに他の方法しかもかなーり数学的な方法で考察されている方もいます。参考にどうぞ。
http://blog.livedoor.jp/enjoy_math/archives/51157482.html
俺はただの猿真似を証明しただけで、なんか恥ずかしくなってきました。

零はなかなか数学(算数だけど)のねたを扱ってくれる率が高いので楽しみにしてます。